AKR Food Company 株式会社担当者インタビュー
自然豊かな鹿児島の大地で丹精に育てられた黒豚の食肉製品や加工品を製造販売しているAKR Food Company。近年、生産農家の減少やコロナ禍による飼料高騰の影響で増々高級食材となっている黒豚関連商品を取り扱い、ECを中心にリーズナブルな価格で提供している。鹿児島市紫原の本社に伺い、代表取締役の松元亜香里さんにお話を伺った。
―まずは会社の概要、歴史について教えてください。
当社は黒豚の食肉製品や加工品を製造販売しています。取り扱っている「かごしま黒豚さつま」は、自然豊かな茶畑に囲まれた風光明媚な町、南九州市頴娃町にある衛生管理の行き届いた指定農場にて、じっくり育て上げられたこだわりの黒豚です。餌には海藻やさつまいもなどを配合した独自飼料を与え「豚特有のにおいが少ない」「コレステロールが低い」「甘みとコクが強く」「鮮度保持の良い」という特色を持っています。
本社はここ鹿児島市紫原ですが、南九州市に提携生産農場、姶良市にOEM委託加工工場があり、日々県内各地を奔走しています。
会社は創業7期目で、黒豚を中心に、ふるさと納税やカタログギフトのほか自社ECサイトでの販売やECサイト向けの卸売も行っています。また、観光客向けに県内のお土産店での取り扱いに加え、最近は首都圏等のTSUTAYAをはじめとする各種セレクトショップにも置いていただいています。そのうち、現在売上が多いのはふるさと納税です。本社のある鹿児島市、農場のある南九州市、工場のある姶良市の3市で取り扱っていただいています。
また、地元の方にもっと黒豚を食べてもらいたいという思いから、紫原の事務所前に黒豚製品を取り扱う自動販売機を設置し、「黒豚テーマポーク」と名付けました。冷凍のハンバーグや黒豚ウィンナーなどが24時間購入できるため、夕食でもう1品欲しいときや一人暮らしのメイン料理として手軽に購入できると好評です。
―今の事業を始めたきっかけを教えてください。
大学卒業から13年間は、父が社長をしていた黒豚の生産・加工・販売までを一貫して行う会社で働き、生産現場から販売まで全ての業務を経験しました。鹿児島の黒豚をより愛してほしいという思いももちろんありますが、生産現場にいると、せっかく生まれてきたにも関わらず育たずに死んでしまう豚を目の当たりにすることも多く、生まれてきた豚を全部美味しく食べてあげたいという思いが強くなり、今の会社を始めました。もちろん様々なご意見があると思いますが、丹精に育てられた黒豚を全部食べてあげることをモットーに商品開発を行っています。例えば、お土産で人気の黒豚缶詰シリーズは、少量すぎるため工場に売れないものや廃棄される原料から製造しています。創業当初からの黒豚を全部食べてあげたいという思いが、おのずと今で言うサステナブルな取組につながっていると思います。
―会社名のAKR Food CompanyにあるAKRとはどういう意味ですか?
私の名前の「亜香里」からです。最初はひねりなく松元商会にしようかと思っていましたが(笑)
―取り扱っている商品について教えてください。
バラスライス、切り落とし、ミンチ等の調理が必要なお肉ももちろんありますが、メインは加工品です。ウィンナー、生ハム、ロールステーキ、ハンバーグ、味噌漬けや餃子など20品目以上取り扱っています。先程お話しした缶詰は黒豚肉、軟骨、モツを使った3種類で、「黒豚缶詰グルメカップシリーズ」として様々なコンクールで賞をいただいています。
多種多様な製品の中で、創業時から取り組み、密かに売れ筋となっているのが「ボーンブロスのもと」です。ボーンブロスとは、近年、高栄養食として注目を集めている「骨からとった出汁」のことです。家庭で一から作ろうとすると骨を砕いたり、血抜きをしたりと手間がかかりますが、当社の製品は下処理済みのうえ不織布パックに入れてあるので、煮だしやそのあとの処理が簡単で、好評です。
―今回の課題である「黒豚製品ギフトケース」について教えてください。
先ほどお話ししたとおり多様な商品取り扱っていますが、ECサイトやふるさと納税での発送では基本的に1種類のギフトケースを使用しており、箱の大きさに合わせた商品個数の設定をして販売しています。今回はそのギフトケースのデザインをお願いしたいと思っています。梱包するのは全て冷凍商品で、底にミラマット(プチプチのような緩衝材)敷き、商品を詰めます。お召し上がり方を紹介する冊子やお礼状も同封しています。
―希望するデザインのイメージはありますか?
段ボールの箱ではありますが、中の商品を食べた後も捨てずに保管し楽しんでもらえるようなデザインであれば嬉しいです。コストの問題から色は最終的にモノクロとする予定ですが、提案時にはカラーでも構いません。黒豚だからと「黒」にはこだわっていないため、自由に発想していただきたいです。
また、先ほど少し触れましたが、本社の敷地内に「黒豚テーマポーク」と名付けた自動販売機を2台設置しています。様々な黒豚製品を買えるテーマパークという意味ですが、ゆくゆくはこの自販機を設置している建物の内壁に展開できるような、楽しくて可愛いデザインであると嬉しいです。このギフトケースを受け取った県外の方が、鹿児島に訪れた際に自販機にも立ち寄っていただき、映えスポットとして自販機の壁の前で撮った写真をSNSにあげていただくのが理想です(笑)
―最後に応募者の方々に一言。
鹿児島の一番の魅力は、黒豚をはじめとした食べ物や焼酎だと思っています。ぜひ全国の方にその魅力を味わっていただきたいので、鹿児島に訪れるきっかけとなるようなギフトケースのデザインをお待ちしています!