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ぢゃんぼ餅 平田屋担当者インタビュー

ぢゃんぼ餅 平田屋担当者インタビュー

鹿児島の郷土のお菓子として誰もが食べたことがある「ぢゃんぼ餅」。夏は海水浴客でにぎわう磯海岸の目の前に「ぢゃんぼ餅平田屋」のお店がある。ノスタルジックな店内に入り座敷席に通されると、窓からは桜島と錦江湾が真正面に見える素晴らしいロケーション。ドライブコースの休憩場所としても最高なお店は、地元の人から観光客までいつもにぎわっている。そんなお店の二階で、五代目の平田勝彦さんに話を聞いた。

―よろしくお願いします。はじめに御社についてご紹介いただけますか?

はい。創業は明治14年頃で今年で141年になります。磯海岸にある店舗で郷土菓子のお餅を売っています。お餅の特徴は、 一口サイズのお餅を焼いて、焦げ目をつけてから、自家製のたれにつけて盛りつけ、地元の竹でできた2本の串をさしてできあがりです。お店でも食べられますしテイクアウトもやっております。また、昨年から冷凍ぢゃんぼ餅のオンライン販売も始めました。

―ありがとうございます。美味しいですよね。あと「冷凍ぢゃんぼ餅」はすぐ売り切れてしまうみたいですね。

そうなんです。ありがたいことに告知するとすぐ売り切れてしまいます。生産体制がまだ整っていないので多くの商品をつくることができず申し訳なく思っています。

―「ぢゃんぼ餅」というのはいつ頃からあるのですか?

諸説あるのですが、一説によると、江戸時代にあった「五文餠(ごんめもち)」というのが始まりだと言われています。それが明治期に「両棒餅(りゃんぼもち)」と呼ばれるようになります。両棒とは、お餅の串の二本差しを武士の太刀と脇差に見立てて「両棒」になったとのこと。その後それが「ぢゃんぼ」と訛って今の「ぢゃんぼ餅」になったと言われています。

―なるほど。古くからあるのですね。では、今回の課題についてお聞きします。お店の暖簾のデザインということですが。

はい。ここ磯海岸にあるお店にかかっている「暖簾」のデザインをしてほしいと思っています。現在使っている白地の麻に黒い墨汁で書かれた暖簾は先代が作ったものでして、もちろん悪くはないのですが、これからの時代を踏まえて刷新しようと思っています。また、鹿児島ユナイテッドFCの試合のときにスタジアムグルメとして出店したりしているのですが、この暖簾デザインを軸に、そういうイベント出店のときの屋台や包材などもトータルでデザインしていただけたらうれしいです。

―商品ターゲットは決まっていますか?

まずは、地元の方ですね。それと県外にお住いの鹿児島出身の方。冷凍のほうもオンラインでは関東や関西の方も買っていただけるのですが、やはり鹿児島出身の方が子供の頃に食べたぢゃんぼ餅を懐かしがって買っていただけているようです。あとは観光客の方もターゲットになります。

―甘いものというとやはり女性がターゲットになりますか?

現在のお客様の男女比で言うとそんなに変わらないかもしれません。男の方が一人で食べに来られることもよくあります。なので、そこは特に気にしなくてもよいかもしれません。

―最後に応募者の方へメッセージをお願いします。

はい。古くから鹿児島のお菓子として「ぢゃんぼ餅」を販売してきました。コロナ禍もあり、新たな挑戦として冷凍の商品を開発したり、今後もいろいろなことをやっていきたいと思っています。今回のかごしまデザインアワードを機会に多くの方に「ぢゃんぼ餅」を知っていただき、また多くのデザイナーの方から素晴らしいデザインがくるといいなと思っています。楽しみにしています。

―ありがとうございました。