THEMA
上村絹織物担当者インタビュー

上村絹織物担当者インタビュー

本場大島紬の産地織元として設立して50年、伝統柄や新デザイン柄の生地で仕立てた着物・帯はもちろん、大島紬マスクやネクタイ等の雑貨の製造や全国伝統工芸とのコラボレーションなども行っている上村絹織物。双子の兄弟で経営されている上村浩一郎さんと上村健一郎さん、アドバイザーの瀬戸口晴子さんにお話を聞いた。

―本日はよろしくお願いいたします。大島紬のマスク良いですね。

はい。ありがとうございます。私共は本場大島紬の産地織元として呉服販売を中心に営業をしていたのですが、コロナ禍となり、大島紬や着物などを着る機会自体が少なくなってしまいました。そこで、いち早く「大島紬のマスク」を開発、販売しました。おかげさまで県内外のメディアにも大きく取り上げていただき、ありがたく思っております。

―100柄100枚に挑戦されたとか。

そうなんです。ただマスクを作るだけでは面白くないと思いまして。大島紬の織元である私たちは、豊富な柄の反物を織ることができるんです。そこで「100柄100枚マスク」に挑戦することにしました。100種類の柄で100枚のマスクをつくってみよう。そう意気込んで作り始めたのですが、おかげさまで、2021年6月には、累計200柄2,000枚以上のマスクを皆様のお手元にお届けすることができました。

―すごいですね。今回の課題もそういった大島紬を使用した〇〇を作ってほしいというテーマだとお聞きしましたが。

はい。マスクは私たちで作りましたが、他にも大島紬を使用していろんなものが作れるのではないかと思い、課題テーマとして応募させていただきました。例えば、弊社ではネクタイや名刺入れなどを作っていますが、今回皆さんに作っていただきたい課題として、日常的に愛用していただける大島紬を使った「インテリア、生活雑貨」のプロダクトデザインをお願いできればと思っています。

―なるほど。

大島紬=着物=和風という既成概念を覆すような、リビングルームやダイニングルームなどで日常的に使っていただけるオシャレなインテリア・生活雑貨で、なおかつ、大島紬の良さが活かされたプロダクトデザイン。そういうものだと良いなと思っています。自分へのご褒美に買ったり、誰か大切な人へのプレゼント・ギフトとして贈っていただけるような上質な商品だといいなと思います。

―ありがとうございます。ターゲットはどういった層を考えてますか?

そうですね。30~50代の女性がメインターゲットかなと思います。販売価格帯としては1~2万円程度。ただ、当社で製造している大島紬の生地をポイント的に使用すれば、製造原価を抑えられます。ですので、もう少し高い価格帯の商品をイメージしていただいても良いかもしれません。

―使用する大島紬の生地の特徴などはありますか?

当社で製造している「縞大島紬」は、一般的な大島紬のイメージ(龍郷柄など)とは異なり、シンプル&カラフルな「ストライプ」、「チェック」、「色無地」と言える縞格子柄です。この柄を活かした商品開発をお願いします。また、生地の幅は約38㎝、使用する生地の長さは100㎝ほどまでで考えています。あと、大島紬の生地の特徴としては、しわになりにくい、なじみやすい、手触りが良いなどがあります。ただ、熱にはあまり強くはなく、着物ですので水にも耐性があるわけではありません。

―ありがとうございます。では、最後に応募者の方へメッセージをお願いします。

創業50年の老舗として、大島紬織元・呉服販売中心で営業してきた私たちの発想では限界があり、この機会にぜひ、デザイナーの皆さまの素晴らしいアイデアやセンスで、上質な暮らしを彩る、これまでにない新商品を開発できたらいいなと思っています。今までは自社店舗や県外の物産展・伝統工芸品展を中心に販売してきましたが、今後はインテリアショップやイベント等でも販売することで、新しい大島紬ファンが増えることを、楽しみにしております。よろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。