THEMA
NPO法人桜島ミュージアムインタビュー

桜島ミュージアム担当者インタビュー

2002年に桜島の自然と文化を楽しむを目的に任意団体である桜島友の会からスタートし、2005年に法人設立。桜島をまるごと博物館と考え、現地で本物を見て楽しみながら学べる観光地づくりに取り組む同団体。今年6月桜島小池町に移転したばかりの海沿いの事務所にて、火山学者・理学博士でもある理事長の福島さんより課題について伺った。

―よろしくお願いします。早速ですが、御社のご紹介をお願いします。

よろしくお願いします。私たちは地域全体を博物館ととらえ,有形無形の自然や文化を現地で保存・展示するエコミュージアムという新しいタイプの博物館システムの考えを取り入れ、桜島全体を博物館ととらえ、桜島の自然・歴史・文化の調査・保存・展示活動を行い、また火山や防災の教育普及や啓蒙活動につとめています。

―具体的な事業内容を教えてください。

主な事業としてはまず桜島ビジターセンターの管理運営になります。2009年より鹿児島県の指定管理者として運営していますが、入館者数はわれわれが運営する以前と比べると倍増し年間12万人となっています。管理運営をはじめた頃はショップも何もなかったんですが、ビジターセンター内にミュージアムショップをオープンさせ、グッズ等の販売を行う小売業もやっています。ショップの売り上げは大きな事業収入となりつつあります。
それから2つ目が体験型観光の総合コーディネートということで、世の中に見えている桜島ミュージアムのメインの活動のひとつですね。ツアーガイドとかインストラクターとかいろんなことをやっています。収入で一番大きいのは修学旅行で、多いときで年間5000人ぐらいの受け入れをしています。桜島に来た観光客をおもてなしする、楽しんでいただくための体験の提供ですね。体を動かす体験というよりは解説をメインとした知的好奇心に訴える情報提供で楽しんでいただけるような体験が得意です。体験できるものはすべて桜島ミュージアムのウェブから事前予約できるようになっています。

―事前予約なしでも参加できるものもありますか。

はい。春休み・夏休み・冬休みなど訪れる人が多くなる時期だけ実施している溶岩ミニトレッキングがあります。これは予約なしで申し込んで参加いただけるプログラムになっています。ただ最近はうちから事業を切り離し、桜島ジオサルクというガイドグループが出来上がったので、そちらに運営をお願いしています。

―結構人員が必要なのではないでしょうか。

そうですね。採算面で考えるとうちの事業の中では大きくないほうなのですが、桜島を楽しんでもらいたいというのが私たちの願いでもあるので、残し続けているのはポリシーであり、気持ちとしてはメインの部分かなと思っています。
それから3つ目が桜島つばき油のブランド商品化ですね。先の2つは観光客をおもてなしするということでやっているんですが、NPOとして持続していくためには収入源が必要でして、そうなるとものを売らないといけないということで始めたのがこのつばき油です。農産物や海産物でもよかったんでしょうけど、つばき油は既得権益なども特になかったので非常に取り組みやすかったというのもあって、始めました。
2009年ごろから本格的に始めて、今ではつばき油のハンドクリームやリップクリーム、ネイルオイルなどを販売し、今では年間1600万円ほどの売り上げになっていますので、割と重要な収入源になりつつあります。

―つばき油商品の販売先はネットになりますか。

ネットでの販売もありますが、一番多いのはBtoBです。卸が多いですね。
例えばマルヤガーデンズにあるD&Departmentや渋谷HIKARIEにあるD47 design travel storeなどにもうちの商品を置かせていただいてます。
最近では事務所の移転に合わせて、奥につばき油の工場を作りまして、現在はまだ準備中ですが、自社で生産するような体制を整えていっています。

―商品アイテムの数が多いイメージですが。

そうですね。つばき油だけでも雑貨もあれば化粧用もあるし、食用や非加熱圧搾という熱を加えずに圧力だけで一番絞りっぽい非常にいい油のピュアプレミアムなどがありますね。つばき油を販売することでのNPO的な意義としては何かというと、6次産業化であったりソーシャルビジネスなどに絡んでいきますが、商品が売れることによって産業として成り立てば雇用も生むことができるので、地域のために産業として育てていきたい。目指すのは葉っぱビジネスみたいな感じですね。
あとはその他のまちづくり事業というのは、桜島が元気になればいいよね、おもしろくなればいいよねと言って活動してますから、お金なくてもやっている事業になります。

―具体的にはどのようなものがありますか。

例えば地元中学の総合的な学習時間のサポートとか。東桜島中学とは15年の付き合いになっていて、ほぼボランティアなんですが月に1~2回は訪問してますね。地域密着型というか、私たちも子どもたちを見守っている立場でもあるのかなと思っています。
あとは「みんなの桜島」と「桜島まるごと絵本」という桜島の本を2冊作っていますね。この本は桜島を伝えるためのツールとして作ったんですが、割と学校には置かれていて、子どもたちが桜島について学習するときに使っていただいていますね。総合学習などでの発表会に呼ばれて参加しますと、この本を使って学習発表してるんです。そうすると私たちの伝えたかったことがそこに盛り込まれているので、意味があったなと思うような取り組みでした。あとは観光とまちづくりの色んなイベントをやったり、事務局をやったり、ジオパークという取り組みの中でツアーとか商品とかセミナーとか色んな形でサービスを提供することによって楽しんでもらおうと地域づくりを鹿児島市さんとやっています。

―ほかにもありますか。

最近はじめたのはカフェ事業ですね。港(みなと)にある、皆と(みなと)つくる、 MINATO CAFEはクラウドファンディングで634万円支援金が集まりまして、300人超の方々からご支援いただいて出来たカフェになります。カフェという場にものすごく可能性を感じていて、単なる憩いの場でなく、観光客や地元の人が集まれて、交流や対話、共創の場になるんじゃないかなぁと思っています。
誰かのなにか始める一歩の場になれば。何か生み出される場が提供できたらいいなと。

―ありがとうございます。今お聞きした多岐にわたる事業すべて、全体を統括するロゴマークということになりますか。

そうです。それと今はこの事業内容ですが、将来まだ増える可能性もありますので、今取り組んでいる事業数には意味はありません。逆に3つぐらいにまとめられることも考えられるので、デザインの力で集約していただいても構いません。そこはお任せします。

―現在取り組まれている事業でジオパーク、ミュージアムショップ、みなとカフェなどロゴマークがすでにありますが。

そうなんです。事業によってはロゴマークがあります。桜島をまるごと博物館と見立てていますので、そのミュージアムの中にカフェがあったり、ショップがあるんだと思っていただいたらいいと思います。

―なるほど。では今後の事業展開や展望などはありますか。

今後の展望としては桜島での二次交通の整備をしていきたいですね。今のところフェリーを降りた後の交通手段が限られているので、充分楽しんでいただけてないと思います。ですのでサイクル&カフェのような拠点をいくつか作り、サイクルツーリズムできるようになったり、恐竜公園までの移動にスローモビリティなどの二次交通の拠点をターミナルに設置したいですね。
大きなビジョン、目指すところとしては住んでいる人と訪れる人が幸せになる、楽しいおもしろいと思ってもらえる地域を作る、桜島という空間にいる人すべてが豊かな時間を過ごしてもらえたらと考えています。

―どのようなロゴマークになるといいですか。

そうですね、男女関係なくともに使いやすかったり、特定の人に刺さるエキセントリックなものではなく、どちらかというと一般的なスタンダードなものがいいかなと思います。桜島はうまく使ってあるといいけど、ものすごくいいデザインであれば、桜島は無くてもいいかもしれない、良くわからないので提案してもらえると嬉しいです。現時点で想定している使用範囲は、看板・名刺、FB・インスタ、スタッフ用のTシャツ、いまはまだないんですが桜島ミュージアム全体を紹介するサイト・パンフレットなども作っていきたいですね。

―ありがとうございます。それでは最後に応募者の方々にひとことお願いします。

われわれの想いをちゃんと聞き取ってもらって、これまで形に出来なかったものを形にして欲しいというのがデザインに求めるところです。
場合によっては聞きなおしてもらってもいいので、大事な部分を見つけてもらって、そぎ落としてきれいにしてもらってデザインしてもらいたい。大事なところは自分たちではわからなかったりするので、外から見てもらって光るもの中心にあるものをしっかり見極めてもらって、それを形にしてもらいたい。そういうところに期待しています。