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竜乃家 担当者インタビュー

竜乃家担当者インタビュー

鹿児島の郷土菓子を中心に菓子製造・卸を行っている有限会社竜乃家。鹿児島県内の大手スーパーを中心に、東京の「かごしま遊楽館」など首都圏へも卸を行っている。過去、週刊朝日「都会で人気の地方特産品」47都道府県の各アンテナショップの売上ベストスリーの特集記事で同社かるかんが遊楽館の売上げ1位になったこともあり、鹿児島の味として広く親しまれている。日々、味や品質向上のため真摯に取り組んでいる同社。鹿児島市吉野町の本社・工場にて代表取締役の二見竜生さんに課題について伺った。

―よろしくお願いします。早速ですが、御社のご紹介をお願いします。

弊社は1976年に加治木饅頭専門店からはじまり、今年42年を迎えます。父が初代なのですが、最初の頃は味や作り方など試行錯誤を繰り返していろいろと苦労をしたようです。そういった研究を重ねたという社風がいまでも日々品質向上に努めていることにつながっていると思います。

―ありがとうございます。では今回の課題となる商品について伺いたいと思います。

生地や餡に生クリームやバター、コンデンスミルク等が使われている乳菓まんじゅうになります。乳菓まんじゅうでと言うと福岡の「博多通りもん」が有名です。その乳菓まんじゅうをミルク餡、それをベースに金柑のジャムを加えたもの、そして安納芋を加えたものの三種をセットにして、そのパッケージデザインを考えていただきたいと考えております。

―この商品を作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

きっかけは、南さつま市加世田の清木場果樹園の金柑ジャムとの出会いですね。実はこの金柑ジャムは日経新聞系列の雑誌で食の専門家が選ぶ朝食におすすめのジャム ベストテンにランクインした事がある有名なジャムなんです。このジャムが乳菓まんじゅうに合うだろう思い、2015年に「さつま金柑まんじゅう」という名称で、一度製造・販売しています。しかし思うように売れませんでした。
味は良いと思ってましたので、コンセプトやネーミング、パッケージデザインを変えて、再チャレンジしたいと思っています。

―商品名は薩摩おごじょ三姉妹「おかしもぜ」ということですが、このネーミングにしたい理由をお聞かせください。

今年の大河ドラマ「西郷どん」で、西郷隆盛役をされている俳優の鈴木亮平さんが、一番好きな鹿児島弁として「おかしもぜ」を紹介されていたネットニュースを見てこれだ!と直感しました。
「おかしもぜ」は美人ではないけど愛嬌があり、かわいい女の子という意味ですが、かわいらしいという意味のもぜに、可笑しいという意味のおかしとお菓子にひっかけて、いいネーミングだと思います。

―ではこのネーミングは必ず使ってもらいたいということですね。

そうですね。弊社で商標登録出願中でもありますので 「おかしもぜ」は絶対使って欲しいですね。

―商品の特徴についてもう少し教えてください。

最初に金柑ジャム餡入りの餡ができましたが、ベースのミルク餡と、安納芋を追加して3種類の味にしたいと思っています。3種類なので、3姉妹にしたらおもしろいかなと。おかしもぜは愛嬌があってかわいい女の子という意味があるのは先程申し上げましたが、ミルク餡は牧場、金柑は果樹園、安納芋は芋畑で働く、家業を手伝っている3人の女の子をキャラクターに描いてみてもいいですよね。
名前にもぴったりだし、私には実際に3人の妹がいるというのもありまして。実は私の代で「竜乃家」へ社名を変更したのですが、私の名前でも使われている「竜」、その竜の家の家族を守っていきたいという思いが込められています。

―課題は「薩摩おごじょおかしもぜのパッケージ」ということですが、個包装袋と箱ということでよろしいでしょうか。

はい。3種類の味の違いが分かるような個包装袋と、6個入り、12個入りなど3の倍数になる箱詰めを想定しています。最近は自分や家族のためにお土産を買う方も増えているようですので、3個入りもいいですね。何個入りが良いのかも含め検討したいです。

―販売価格の想定はどのぐらいでしょうか。

6個入り700円~、12個入り1400円~でしょうか。
単品売りも考えています。是非食べてみてください。

―(金柑試食)小ぶりでかわいい大きさですね、きんかんのいい香りもします。

金柑はもっと果肉を入れてブラッシュアップしたいと考えています。大きさは商品のコンセプトに合わせて調整しても良いかなと思います。食べてもらって価格設定やお菓子のサイズ、デザイン設計してもらっても良いですね。

―売り場は既存のルートを想定していますか。

そうですね。現状では加治木饅頭、かるかん、いこ餅等の郷土菓子を鹿児島県内のスーパー、タイヨーストア、コープ生協、山形屋ストアなどで売って頂いています。その他には東京のかごしま遊楽館、あとは阪急梅田店のイベント販売などでの販売ルートはありますが、現状はそれほど日持ちのしない商品ばかりで、バラ売り・自家消費用がほとんどです。
高速道路の桜島サービスエリアでは、加治木まんじゅうをその場で蒸して提供したりもしています。
弊社の商品には観光客向けというか、お土産商品はないため鹿児島中央駅や鹿児島空港高速道路のサービスエリア等で販売して頂けるような商品をイメージしています。そこの需要を掘り起こしていきたいと思っています。

―なるほど、それではターゲットは観光客になりますか。

はい。賞味期限もこれまでの商品とは違い1ヶ月以上と、お土産商品として考えてきました。以前は職場などにたくさん入った数が足りれば味は関係ないという選び方も多かったと思いますが、今は旅行に行った場所のご当地のお土産として、気に入ったもの、おいしかったものを自分用にとか、家族に、だれかに贈ったりするために選ばれると思います。そんなときに選ばれる商品にしたいですね。

―デザインをしてもらうときに考慮してほしいことはありますか。

そうですね、品質保持の観点から脱酸素剤を入れて密封しますので、密封できる素材であったり、その工程は変えられないですね。袋状になっているものに商品を手で入れて口を閉じるという作業をします。袋の大きさを変更したり、袋への印刷は可能ですね。密封さえできれば、何をしても大丈夫かな。それで付加価値があがって、お客様が喜んで買っていただけるものになるなら、その分をプラスにしたとしても良いですよね。 あとは味が3種類あるので、袋の色を変えたりして、味の違いはお客様へ分かりやすく訴えられるものにしてほしいですね。人にあげる場合、見栄えは重視されますから、何個入りなのか、大きさはどうするのかも検討したいです。また箱売りも考えていますので箱のデザインもお願いしたいです。

―社名ロゴなどは

ロゴは必ずいれていただきたいです。色などの指定は特にありませんし、小さくても構いません。

―どのような作品があればいいと思いますか。

そうですね、鹿児島の金柑や安納芋といった特産品を使った鹿児島らしいお菓子と自負しています。皆様から愛されるお土産菓子になってほしいです。私たちは、お菓子を作ることしかできないので、一番苦手なデザインに関してはお任せしたいですね。デザイナーさんからのお問い合わせがあれば、みなさんに商品は送らせてもらいます。

―問い合わせした方、全員にですか?

もちろんです。そのぐらいは当たり前のことです。弊社の商品をデザインしたいなと思ってもらえるだけでありがたいことです。

―なるほど。ありがとうございます。それでは最後に応募者の方々に一言お願いします。

自由な発想で、自分にしかできないオリジナリティあふれる作品を作っていただければと思います。自分を信じて本当に自由に考えてもらえたらと、それだけですね