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東酒造株式会社インタビュー

東酒造担当者インタビュー

大正4年(1915)の創業から103年を迎えようとしている東酒造株式会社。創業者の東喜内(きない)氏の「何事も自然が一番」という思いを、今でも変わることなく受け継ぐ。自然とともに歩み、新しい可能性にも積極的に挑戦している同社。鹿児島市小松原の本社・工場にて常務取締役の福元文雄さんに課題について伺った。

―よろしくお願いします。早速ですが、御社のご紹介をお願いします。

よろしくお願いします。弊社は鹿児島市の船津町で創業しました。最初は焼酎の卸業から始まりましたが、現在は焼酎の製造・販売を行っております。主力商品である芋焼酎は、独自の製法でブレンドと熟成を行ない、おいしい酒を生み出しています。また、鹿児島で地酒(じざけ)と呼ばれる灰持酒(あくもちざけ)の復活にも取り組みました。
灰持酒は、古来より日本で造られた日本酒と起源を同じくするもので、木灰を投入して保存性を高めた伝統的な醸造酒のことです。鹿児島の郷土料理の「酒ずし」には欠かせないものです。

―ありがとうございます。では今回の課題となる商品について伺いたいと思います。現在販売されている「七窪」の季節限定商品とのことですが、どのような商品になりますか。

「七窪」は、弊社の一番人気の商品になります。フルーティで飲みやすく日本酒感覚で飲めるため、県外の方や焼酎が苦手な方にも好まれる商品です。今回の課題となる限定商品は「七窪」をベースにし、今のところ味を大きく変えることは考えておりません。なお、現在、季節限定商品は春・秋・冬はあるので、今回の商品は夏限定の商品にできたらと考えています。

―なるほど。「七窪」はフルーティで飲みやすいということですが、製法などのこだわりを教えてください。

弊社の製造に使われている水は、鹿児島県内28カ所の分析を繰り返して、ようやくたどり着いた鹿児島市大重谷の湧水です。焼酎にとって水はとても大切な存在です。シラス台地は巨大な天然のろ過装置で、そこで生まれた水は口当たりがまろやかでおいしい酒を造ることが出来ます。
また、減圧蒸留という蒸留方法を使用しているので、芋臭さがあまりなく飲みやすい焼酎になっています。

飲み方はストレートやロックで飲まれることが多いようです。アルコール度数は25度ありますが、そう感じさせない軽い飲み口で爽快感があります。

―ありがとうございます。現在の販路、売り先はどのような場所になりますか。

流通先のエリアは東京・名古屋・大阪の大都市圏が中心です。魚介系との相性が良いこともあって、魚が美味しい港町でも好評をいただいています。販売先は、酒専門店、居酒屋・飲食店へ卸している業務用酒販店と量販店ですね。販売店などでの試飲会がきっかけで、商品を知っていただく方もいらっしゃるようです。あとは楽天・ヤフー・アマゾンなどのネット通販でも販売されています。

―今回の課題となる、限定商品の販売量はどのぐらいを予定されていますか。

通常の限定商品だと5,000~10,000本程度です。既存のお客様には一升瓶が良く売れます。味も分かっているし、お買い得だからだと思います。ただ、新商品でトライアル用としては小さいサイズが良いと思いますので、今回は720mlサイズをメインにしたいと考えています。価格は「七窪」と同価格ゾーン720mlが1,600円、1升が3,050円程度を予定しております。

―デザインしてもらう上で考慮してもらいたいことはありますか。

そうですね。瓶の形状はあまりに奇抜過ぎるとお店の棚に置けなくなってしまいますし、製造ラインの関係で、できれば現状使用している形を変えないでもらいたいです。瓶の色の指定はありませんが、あまり珍しい色だとコストがかかりすぎる可能性がありますので、そのあたりは考慮してもらいたいですね。「七窪」のブルーとは違うブルーの使い方があれば、それもおもしろいかもしれません。夏向けだから爽やかな方が良いかもしれませんが、それにこだわらなく自由に発想して頂ければと思います。

―ラベルのサイズや形状はどうでしょうか。

製造ライン上でラベルを機械貼りしていますので、サイズ・形状は変更不可でお願いします。 あと、このような金キャップが付いている商品もありますが、絶対に付けないといけないというわけではありません。ただ付けるとしたらこのゴールドになります。
必須で表記しなければならない内容や最低フォントサイズなどもあります。
※商品写真参照、仕様参照

―七窪のロゴは必須でしょうか。

いえ、必須ではありません。七窪シリーズだとわかるようにしてもらえれば、ロゴを入れなくても大丈夫です。アルファベット表記だけとかでも構いません。

―箱は必要ですか。

現状は99%が箱なしで流通していますので、箱は絶対ではないですね。箱はトータルデザインとしてご提案があれば検討したいです。

―どのようなデザインや作品があればいいと思いますか?

普段は日本酒やワインを飲まれている都会の女性をメインターゲットとしてもらえればと思います。 既存客は、10数年前の焼酎ブームのときに当時40~50代だった中年世代男性です。その層の方々からは高い支持を得ていますが、女性や若い世代の方にも知ってもらいたいと思っています。新しい層へ飲んでもらえる商品になれば嬉しいです。焼酎を飲んだことがない方や苦手な方、多くの方に飲んでもらいたいです。ですので、従来の(焼酎の)おやじくさいイメージとかを払拭して女性でも気軽に酒屋さんで買えるデザインがいいかもです。デザインで飲んでみたくなったり、購入するひとつのきっかけになってもらいたいです。あと、家飲みやホームパーティ・女子会などでご利用いただいたり、インスタ映えするもの、SNSでの発信・拡散されるような違うメディアでも話題になるようなものを目指したいです。「これ焼酎なの?」という攻めたデザインとかも見てみたいです。鹿児島らしさは特に必要ないと思いますが、それでも風土性やおいしさを訴求したようなものはいいかもしれません。

また、焼酎はプリン体ゼロなので、健康・自然体・ナチュラルヘルシーなどのキーワードでのデザインもあるのではないでしょうか。部屋に置いても馴染んで、ワインなどと並べて置きたくなる、飾っておきたくなる。お酒っぽくない斬新なものというか。ちょっとした贈り物に贈答用としても使っていただきたいですね。
食の切り口としては、食中酒として飲んでいただけるくせのないものです。より、海鮮系料理との相性の良さを考えると和食以外にイタリアンや洋食系など新しい業種業態へ参入していけると思っています。ワインの代わりに七窪を選んでもらえるようなことがあれば嬉しいです。ワイングラスで七窪を飲む感じでしょうか。あと、限定品としてのネーミングのご提案もあればおもしろいですね。

―ありがとうございます。最後に応募者の方々にメッセージをお願いします。

現状のデザインにとらわれず、焼酎らしさというような常識は関係なく0ベースで考えていただき たいです。今までにない私たちでは思いつかないような作品を楽しみにしております。