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風月堂担当者インタビュー

風月堂担当者インタビュー

薩摩伝統の味わいと新しい感覚を融合して、鹿児島にちなんださまざまな和洋菓子を製造している株式会社風月堂。鹿児島の繁華街である天文館にオープンした新店舗は、モダンなデザインの「F」の頭文字にヨーロッパの伝統を感じさせる書体でFUGETSUDO。邁進する伝統と融合。本社・工場のある鹿児島市谷山にて営業課長の鎮守恭介さんに課題について伺った。

―よろしくお願いします。早速ですが、御社のご紹介をお願いします。

よろしくお願いします。弊社は1919年創業、再来年100周年を迎える菓子製造販売業を営む会社になります。看板商品の「さつまどりサブレ」は、兵糧食が原点の菓子で、戊辰戦争の際、西郷隆盛大将が出兵する兵士のために東京の風月堂へ製造依頼して薩摩藩に納入させたという史実が残っています。「さつまどりサブレ」は昭和39年に販売開始していまして、もう50年、鹿児島県の皆様にご愛顧いただいている商品になります。

―ありがとうございます。では今回の課題となる商品について伺いたいと思います。現在販売されている「さつまどりサブレ」とは異なる商品になるのでしょうか。

そうですね、「さつまどりサブレ」の主原料は小麦粉になるんですが、当時は兵糧麺包(ひょうろうめんぽう)として作られていました。兵糧麺包というのは兵糧食のことで、もともと米粉をベースにした菓子(ビスケット、サブレのようなもの)と言われています。今回課題となる商品は、看板商品の「さつまどりサブレ」をベースに主原料を小麦粉から米粉に変えて開発する予定です。100周年を記念して、原点の米粉をベースにしたいと思っています。

―なるほど。焼き菓子の原点で、そのような歴史的な背景があるお菓子なんですね。

そうです。島津斉彬公の集成館事業は世界遺産にも登録され、鉄鋼や造船、石炭産業などが注目されていますが、実はそれ以外の紡績、食品製造などもあるんです。新川沿いに水車館を建てて、それを活かした紡績産業だったり、米粉を大量に挽く技術を確立したり、黒砂糖から氷砂糖や白砂糖を作り出す製法を開発したりと食品産業にも活かされています。集成館事業は富国強兵のスローガンを掲げて、軍隊を強くするために兵糧食も必要だと斉彬公は言われまして、米粉を主原料とした兵糧菓子を作ったものがさつまどりサブレの原点と言われています。そして、日本の焼き菓子の原点にもなっているんです。

―焼き菓子の原点は薩摩藩なんですね、そういう背景をお聞きすると歴史好きの方に好まれそうですね。

そうですね。タイムリーなことに来年の大河ドラマは「西郷どん」ですので、西郷さんや斉彬公、明治維新に焦点をあてるのはやはり面白いかなと。歴史好きの方に好まれるものになっていくんじゃないかと思います。

―面白そうですね。世代的なターゲットはあるでしょうか。

限定した世代というのは特にありませんね。幅広い世代の方に手に取っていただけると良いなと思います。ただ特定原材料の小麦粉ではなく米粉を使用することで、アレルゲン以外でもグルテンフリーを気にされる方は多いので、そういう点ではどちらかというと女性向けじゃないでしょうか。

―わかりました。ちなみに販売価格はどのぐらいを想定されていますか。

販売価格は1,000円程度を考えています。内容量は基本の12枚入りタイプですね。現在の「さつまどりサブレ」のラインナップは5、6枚入りの少量のものから、10枚、18枚、24枚、30枚と数種類あります。今のところ他の内容量は考えていませんが、もし作ることになってもデザインは同じものにしたいです。味のバリエーションもプレーン・紫芋・知覧茶・黒酢黒糖・しお・ごまと6種類ありますが、まずはプレーンのものからだと思います。

―現状のパッケージには桜島を使われていますが、桜島を使って欲しいというような限定性はありますか。

いえ、桜島に限っているわけではありません。でも明治維新をベースにする商品になりますので、鹿児島らしさは演出してもらいたいですね。100周年を記念して作りますが、100周年や明治維新150年を強調しすぎなくても良いと思います。それはあくまでもピンポイントのタイミングなので、その年はシールで対応するぐらいでもいいと思います。

―販売先としては、自社店舗と、駅・空港などでのお土産がメインでしょうか。

はい、そうです。そこがメインにはなりますが、関東や関西での九州フェアや鹿児島フェアなどへ出展することもありますので、リクエストがあればそのような場へ持って行くこともあります。

―なるほど。お土産品としても県外フェアで出される場合でも鹿児島らしさなどは表現してもらいたいということですね。では、これは変えてもらいたくないというところはありますか。

いえ、特にはありませんね。「さつまどりサブレ」をベースに商品開発をしますが、小麦粉を米粉に変えますので、「さつまどりサブレ」とは全く違った商品として販売したいと考えています。なので商品名も合わせて考えていただきたいですね。ちなみに西郷隆盛が好んでよく使っていた「敬天愛人」という言葉は、弊社が商標登録しておりますので、それは使っていただいても構いません。社名ロゴだけはどこかに入れてもらえると良いですね。コーポレートカラーがうすいグリーンなので、それにこだわっていた時期はありましたが、最近はそういうものはありません。ロゴもグリーンである必要もありません。

―わかりました。デザインしていただきたい内容はサブレを入れる個包装袋とそれを入れるパッケージで良いでしょうか。

そうですね。小包装パッケージとそれを入れる箱、または包装紙などをお願いします。

―個包装袋、それを入れる箱もしくは包装紙などの素材や形状の制限はありますか。例えば製造ライン上で出来ないことなどがあれば教えてください。

はい。現在の12枚入りはこのような紙箱ですが、とくに制限はありません。缶箱みたいなものも良いと思いますし、弊社商品だけではなくおみやげは箱物が多いので、変わった形などは売り場でも目立ちますから、ご提案いただけるならいろいろ見てみたいなと思います。あとは可能かどうかもありますが、サブレの形状についてもご提案いただけるとうれしいですね。

―サブレの形状もですか?

はい。現在の「さつまどりサブレ」は、鹿児島県の天然記念物「さつまどり」をモチーフにしていますが、今回は米粉がベースになって、またちがうサブレになりますので、パッケージのストーリーと繋がるような形状だとより良いかなと思います。

―なるほど。サブレの形状も考えて良いというのは面白そうですね。

そうですか。ただサブレに印字するようなことはまた工程が別になってしまうので、そういう加工はできません。形状は金型で作れるものなら可能です。

―常識の範囲内でということですね。ちなみに「さつまどりサブレ」の形状は、さつまどりだと思いますが、原材料にさつまどりに関するものが入っているとかそういうわけでは?

そういうわけではないですね。なので、原材料等に関係なくパッケージと連動させて、必然性のある形状は良いですよね。

―ありがとうございます。最後に応募者の方々へメッセージをお願いします。

100年を迎える企業の記念商品として考えていますが、明治維新にできた兵糧菓子が原型ということもありますので、平成30年の明治維新150周年に向けても記念の商品になると良いですよね。100年を迎える節目に、原点に立ち返ってスタートできるような記念になるデザインを考えていただけたらと思います。よろしくお願いします。