INTERVEW

ほたる醸造 担当者インタビュー

ほたる醸造担当者

豊かな水に恵まれた鹿児島市郊外で、醤油づくり、味噌づくりを行うほたる醸造。必要以上の機械は使わず、無理な量産もせず、じっくりと手作りで醸造している。水田に囲まれた山間の工房では、いま新商品の開発が進められている。それは、国産の米と米麹でつくる甘酒スイーツ。そこで今回は、課題やテーマについて、代表の小城章裕さんにお話をうかがった。

―自然豊かな環境に、趣のある工房を構えていらっしゃいますね。

小城:このあたりは澄んだ湧き水が豊富で、5月の連休過ぎからほたるが舞い始めるんですよ。それで、ほたる醸造と名付けました。社屋は築80年以上の小学校の木造校舎を移築したものです。もともと地元で畜産を営んでいた父が譲り受け、貸倉庫として使われていた場所に、東京からUターンしてきた私が工房を構えました。醤油と味噌づくりを始めたのは、母親が手作りしていた醤油と味噌の味を自分の手で再現したいと考えたからです。1996年の創業から20周年を迎えまして、6月に記念樹の桜を植えたばかりです。

―なるほど。お袋の味を復活させた建物にもストーリーがあるんですね。

小城:はい、そうなんです。子どもたちの成長を育み、見守ってきた建物ですから、醤油と味噌づくりには欠かせない麹もじっくりと育むことが出来るんですよ。

interview_hotaru2

―麹には最もこだわっていらっしゃるんですよね。

小城:味噌も醤油もそして甘酒も、麹が弱いと美味しくなりません。ですから、一番のこだわりは麹に合わせて仕事をすることですね。ここでは三日間かけて麹を作っているので、その間は昼夜を問わず作業を行います。手間ひまかけてじっくりと育てることで、酵素力の高いしっかりとした麹が出来上がります。ベストな麹にたどりつくまでに試行錯誤を繰り返し、約5年を費やしました。

―では、ほたる醸造さんが今回、かごしまデザインアワードに応募された理由をお聞かせ願えますか。

小城:鹿児島市役所の方からお話をうかがったのがきっかけになりました。ちょうど新商品として甘酒スイーツシリーズを開発していたので、デザインを含めて一緒に考えていけたら面白いと思い、応募させていただきました。

interview_hotaru3

―ありがとうございます。甘酒スイーツシリーズは、どのような経緯で構想されたのでしょうか。

小城:甘酒は味噌などと同じく、発酵を利用して作られた日本の伝統飲料です。冬に温めて飲むイメージがありますが、 江戸時代より夏の栄養ドリンクとして飲まれていた歴史があります。近年、メディアを通してその機能性の高さが見直されつつありますが、なかなか浸透していないのが現状です。そこで、夏の甘酒をアピールする新商品として、冷たいスイーツを作りたいと考えました。

―ほたる醸造ではもともと甘酒も作っているんですね。

小城:はい。醤油や味噌の製造に使う米麹を使って、創業当初から作っています。原料は国産米と米麹だけで砂糖は使っていませんが、すごく甘いです。酒粕でつくる甘酒とは異なり、アルコールも入っていません。

―なるほど。いま開発されている甘酒スイーツは、プリン、アイス、ジェラートの3種類でしょうか。

小城:スイーツの製造はまったくの畑違いですので、知人のフードコーディネーターの協力のもとに試作を重ねている段階です。いま現在、商品化を目指して開発を進めているのがプリンで、だいぶ形になってきました。

―甘酒スイーツ第一弾となるプリンは、どのような商品になりそうでしょうか。

小城:甘酒と牛乳のみで作ったプリンに、鹿児島県産の素材で作ったソースをトッピングします。プリンそのものには砂糖を加えないので、甘酒の風味がしっかりと感じられます。

―通常のプリンのカラメルソースの代わりに、鹿児島県産の素材で作ったソースをトッピングするんですね。

小城:はい。ソースの素材としては、鹿児島県産の素材を使ったバリエーションを考えています。もう少し食べたいなと思える小さめのサイズにしたいので、容量は1個あたり100cc〜150cc、価格は250〜300円を想定しています。

―よく分かりました。アイスやジェラートはいかがでしょうか。

小城:甘酒を使って、鹿児島名物のしろくまのようなアイスを作りたいという思いがあります。製造から考えるとカップタイプかな?と思っていますが、バータイプでもいいのかもしれません。アイス、ジェラートともにまだ企画の段階なので、こういう形状だと食べやすい、売りやすいというデザイナーさん側からの提案があれば、ありがたいですね。

―メインターゲットは女性ですね。

小城:はい。全国の女性、中でも健康志向の高い方やオーガニック商品に興味のある方々をターゲットに想定しています。食に関心の高い女性から、男性やお子さんへと広げていくイメージですね。

interview_hotaru4

―販売はどのようなところを想定されていらっしゃいますか。

小城:既存の取引先である自然食品関連の店舗や工房直売店での販売を予定しています。ゆくゆくは首都圏の百貨店でも販売したいですね。

―では、甘酒スイーツのパッケージをデザインする際に考慮してもらいたいことはありますか。

小城:素材等の指定はありませんが、シリーズに統一感のあるデザインを希望しています。ほたる醸造の歴史や思いが反映されればうれしいですし、長く使える飽きのこないデザインがいいですね。商品はまだ開発中ですが、鹿児島にこだわったスイーツになる予定です。また、ギフト需要も想定していますので、詰め合わせのパッケージもぜひご提案ください。

―最後に応募される方々へのメッセージをお願いします。

小城:日本の伝統食品である甘酒をスイーツとして、世界に発信していきたいです。「夢がある」という今回のテーマにぴったりの商品ですので、イメージをふくらませて、ゼロから一緒につくり上げていただければうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

―ありがとうございました。

interview_hotaru5

Photo Gallery