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南洲館 担当者インタビュー

南洲館 担当者

創業91年、南洲翁こと西郷隆盛にちなんで名付けられたHOTEL&RESIDENCE南洲館。南九州一の繁華街・天文館にある南洲館は、通常客室に加え、滞在連泊型のレジデンスルームも備えている。全64室の客室の中でも、最上階の角部屋・801号室の内装デザインが今回のアワード課題。そこで、代表取締役社長の橋本龍次郎さんにテーマ等についてうかがった。

―「24時間365日、西郷さんに会えるお部屋」というだけに、この部屋のベランダと窓からは西郷隆盛銅像が見られるんですね。

橋本:はい。鹿児島にもホテルはたくさんありますが、お部屋から西郷さんに会えるのは、おそらく当館だけだと思います。その特徴を際立たせるため、この801号室を「3153(さいごーさん)ルーム」と名付けて売り出したいと考えました。

―なるほど。それで内装デザインを一新されるというわけですね。今回はどのような経緯で本アワードにご応募いただいたのでしょうか。

橋本:九州新幹線の開業を機に県外資本大手ホテルチェーンがたくさん鹿児島に進出してきて、地元ホテルは生き残りが大変厳しくなっています。そんな状況にあって、地元で育ったボクらができるホテル業って何だろうと考えた中で、鹿児島らしさだったり、つながりだったり、鹿児島の面白いところをもっとアピールするために異業種とのコラボレーションが必要だという結論に行き着きました。ホテルが街の入口になればいいなと思って試行錯誤を重ねていたタイミングでアワードの課題提供のお話がありまして、応募にいたりました。

西郷さんルーム

―ありがとうございます。今回つくる「3153(さいごーさん)ルーム」は、どのような方をターゲットにイメージされているのでしょうか。

橋本:西郷さんが大好きな方が一番のターゲットです。国内はもちろん、海外にも西郷さんをお好きな方がいらっしゃると聞いていますので、台湾、香港などの海外客誘致にもつなげたいですね。また、明治維新、幕末に興味がある方、歴史好きな方にも関心を持っていただきたいです。世代や性別は問いません。

―最大何名まで泊まれる部屋になるのでしょうか。

橋本:従来はワンベッドの畳スタイルで1〜2名用の部屋でしたが、今後は最大4~6名まで利用できるようにしていきたいです。宿泊料は1名あたり1万円を想定していますので、それ相応の体験ができる価値ある部屋にしたいですね。

南洲館 橋本様

―宿泊予約はWebサイトが中心でしょうか。

橋本:はい。大手旅行サイトでのネット販売も行いますが、オリジナルホームページからの予約を増やしたいですね。Facebookや、Instagram、TwitterなどのSNSもさらに積極的に活用していきます。

―なるほど。では具体的に内装デザインのポイントをお聞かせ願えますか。

橋本:名だたる鹿児島の旅館やホテルには西郷さん直筆の書や愛用していた服、壺などが展示されています。当館はとてもそのようなところにはかないません。ですから、今回の3153ルームでは「もし、2015年のこの時代に西郷さんが生きていたら?」と考えて、新しい感覚の西郷さんのお部屋を提案していただきたいです。

―橋本さんは、西郷さんのどのようなところに魅力を感じていらっしゃいますか?

橋本:激動の時代で名を残し、たくさんの方々に慕われたリーダーの理想像ですよね。西郷さんの座右の銘として「敬天愛人」という言葉が知られています。天を敬い、人を愛することもお部屋のコンセプトになればいいなと思います。

―そうなんですね。他にも外せないコンセプトなどはありますか?

橋本:今、当館全体として“もっと人に優しい宿づくり”というコンセプトを掲げています。その取り組みの一貫として、調湿・消臭機能に優れた自然素材のシラス壁や、木の香りが心地いい鹿児島県産の杉材、い草の琉球畳などを使った客室を設けました。その部屋は第一工業大学の建築デザイン学科の先生や学生さんとコラボして作りましたが、3153ルームにもこうした自然素材を使っていただくことを希望しています。

―人に優しい自然素材を出来るだけ使用して欲しいということですね。機能性についてはいかがでしょうか。

橋本:デザイン性だけでなく、お客様の居心地の良さや、スタッフさんの清掃やメンテナンスのしやすさにも配慮していただければありがたいです。

―では、間取りの変更は可能でしょうか。

橋本:入口からベランダまでを予算の範囲内で自由にアレンジしていただいてかまいません。ただ滞在連泊型のレジデンスルームは他のホテルにはない当館ならではの特徴です。ですからお部屋にミニキッチンと洗濯機は残していただきたいです。水回りを変更すると大幅に予算がかかりますので、キッチンや浴室には手を付けず、客室、寝室、ベランダ一帯だけをリニューアルするというプランでもかまいません。

―なるほど。せっかく見晴らしがいいので、ベランダは残したいですよね。

橋本:最上階の角部屋で西郷さんだけでなく、桜島も見えますので、降灰対策を考えなければいけませんが、ベランダは有効活用したいですね。

西郷さん

―例えば、洋服タンスなどの家具は撤去してもいいのでしょうか。

濱橋本:はい。家具や小物も含めてトータルで提案してください。出来ることならこの部屋には、西郷さんに関するものづくりを行っている若手デザイナーの商品やアーティストの作品を取り入れて、そういう人やモノがつながるハブのような空間になればいいなと考えています。西郷さんの曾孫の西郷隆夫さんにも最終的にアドバイスをいただく予定です。

―最後に応募される方々へのメッセージをお願いします。

橋本:3153ルームはスタッフや私たち家族みんなの夢や希望であり、未来を創造する部屋になることを願っています。実制作の過程ではさまざまな苦労もあると思いますが、共に作り上げるプロセスを時系列で追って、完成までの物語をホームページ、SNS等で発信していきたいと考えています。一度現場を見てみたいという方はご連絡いただければ真摯に対応させていただきます。ぜひこの空間にぶっ飛んだ感性を授けてください。よろしくお願いします。

―南洲館の看板になる部屋を作るということですね。ありがとうございました。

南洲館 橋本様

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