課題担当者インタビュー

オビックス株式会社 担当者インタビュー

オビックス株式会社担当者

「きものをもっと身近に、カンタンに」をコンセプトに、和装に使用する着装品を開発、製造されている株式会社オビックス。鹿児島名物の市電が大きくカーブするいづろ交差点前にある大黒町ブラザー鹿児島ビル3F、前結び宗家きもの着付け教室「前結び宗家きの和装学苑」にて企画・広報の岩本朋之さんに今回のアワード課題テーマ等についてうかがった。

オビックス株式会社イメージ写真1坂元醸造イメージ写真1

―よろしくお願いします。着物姿が素敵ですね。浴衣ですか。

岩本:ありがとうございます。はい、これは浴衣になります。和装品製造販売会社ですので、やはりこの恰好がよいかと思いまして。

―ありがとうございます。こちらは着付け教室ということでよろしいでしょうか。浴衣や着物用の小物などいろいろ置かれているので店舗のようでもありますけど。

岩本:そうですね。着付け教室をメインにしております。こちらの着付け教室は弊社オビックスのグループ企業、前結び宗家きの和装学苑の教室になります。そこに隣接した形となる弊社店舗の和ごころ・オビックスでは、今年初の試みとして「ゆかたレンタル1000円プラン」なども実施しております。

―それは、すごいですね。

岩本:はい、1000円プランですと選べる浴衣が限定はされるんですが、浴衣・帯・肌着・下駄・着付けまで込みの価格設定となっておりますので、かなりの破格値だと思います。特に花火大会やお祭りなどでお客様にご利用いただいておりまして、かなりご好評いただいております。私どもは和装を主目的としてきた会社ですので、着物を売るというよりは、広めるということを大切にしております。それで、このような企画も行っている所です。

―そうですか。着物をもっと楽しんでいただくための試みをいろいろとされているオビックスさんが、今回かごしまデザインアワードに応募したきっかけをお聞きしてもよろしいでしょうか。

岩本:はい、弊社は着物をもっと多くの方に愛用いただくため、きの和装学苑の教材として、着物が着やすくなるための和装品等の商品開発をしております。従来から若い方に如何に着物を楽しんでいただけるのかという事を考えておりまして、色々と取り組んでおります。ただ、着物のマイナスイメージをなかなか払拭しきれないんです。着苦しい、着崩れしやすい、手直しが難しい、価格が高そうといったイメージを多くのお客様が抱いている現状ですので、そこをどう払拭していくのかというのは常に課題になっています。そこで約40年前に、身体の後ろで帯を結んでいた従来の着装法とは違い、現代の科学技術と組み合わせることで可能となった「前結び」着装法を考案し、前結び宗家きの和装学苑として全国に広めました。帯を一人で結ぶのはなかなか難しく、着物を着る時の最大のネックポイントとなっていたので、そこを1つクリアしました。それが随分広まってきてはいるんですが、やはり着物に興味のない方はご存じない方も多いんですね。着物自体が好感をもってもらえる様な普及をはかりたい、いまこそ着物の価値というのを考え直す機会ではないかと思っていた時に、このデザインアワードの募集を拝見し社内でもぜひ参加してはということで応募させていただきました。

―ありがとうございます。今回の課題にされた「あたらしいきもののかたち」は、着物の形自体を変えたいということでしょうか。

岩本:いえ、やはり着物の基本的な形はそれほど変わって欲しくないとも思っています。

―着物の形の定義はありますか

岩本:襟合わせがあって、裾、袖があって、やはりワンピース。セパレートのものも多くありますが、それではないイメージです。

オビックス株式会社イメージ写真3

―今の形はほとんど崩してほしくないということでしょうか。

岩本:そうですね。形自体の斬新さを狙っているわけではありません。発想は自由にしてほしいのですが、おおきく逸脱して欲しくはないです。

―なるほど。少し前に流行ったミニ浴衣などは如何ですか。

岩本:ファッションとして受け入れられるならば、多少裾を短くするとかは良いかなと思いますが、ファッションとしてかわいければよいというのでは何でもありになってしまうのかなと。ただ、まずは着物を多くの方に手に取って頂きたいという目的がありますので、若い方にも手に取って頂くための入門、最初の一歩として取り入れやすいものということであれば、それが良い提案なら検討したいと思います。

―ということは、「あたらしいかたち」というのは、形状の斬新さというわけではなく、簡単に着られるものを期待しているという感じでしょうか。

岩本:そうですね。着る工程の簡素化はイメージしています。もちろん、私どもが思いつかないような斬新な提案も期待してはおりますが。

―購入される方はどんな方々をイメージされていますか。

岩本:やはり、着物になじみのない20代から30代の女性をメインターゲットにしていきたいです。若い方たちが着物に親しんでいただけるきっかけになるようなものを作りたいと思っています。

―どのような場所で販売していくイメージでいらっしゃいますか。

岩本: まずは、弊社のネットショップ「楽々着物ストア」での販売ですね。そこが入り口になるかと。それとは別に、もっとファッション寄りの商品を扱う着物メインの別サイトを半年以内に立ち上げる予定でおりまして、最終的にはそちらでの販売がメインになると思います。あとは、小型のイベント商談会で販売したり、日本ファッションウィーク、国際ファッションフェアなどに出展する予定です。あとは百貨店などの催事への出展や、きの和装学苑の教室でのPRを考えています。

―デザインをしてもらう際の考慮するポイントはありますか。

岩本:はい。着物の形が、どう変化するのか楽しみですが、崩し過ぎるのはやはり望まないです。人それぞれ考え方が違いますので難しい部分ではありますが、2部式ではないというのは一つ大切なポイントかなと思っています。あと、着方のバリエーションとして、帯結びも色々なものが出来ますよということを売りにしていますので、帯は出来るだけあった方が良いですね。その帯自体に対して何か別のご提案があったりすると、また面白いとも思います。かたちを実際にどこまで崩せばいいのかは、皆さんに提案していただく中で良い物が出来上がればと思っています。制約がある中でどんなものが出来上がってくるのか楽しみにしています。これまで続いてきた着物文化を継承し、守っていくためにも、色んな人たちに着てもらうためのアイデア・発想が欲しいです。また、弊社でテキスタイル用のプリンターを導入する予定なので、よりファッショナブルな着物を開発しやすい環境になると思っています。その場合の素材はポリエステルになりますので、皺になりにくく、洗濯も自分でできます。

オビックス株式会社イメージ写真3

―なるほど。色や柄で出来ない事はありますか。

岩本: ほとんどないと思います。デザインの部分で、着物のイメージとして今までにないものを求めていく必要もあると思いますので、図柄として斬新なものも出てくると嬉しいです。プリンターですので、通常の着物ではできない上下の柄を変えるといったことも可能です。

―鹿児島らしさについては、どうですか

岩本: そうですね。鹿児島はやはり南国のイメージなので、そういう雰囲気を感じさせるものであったり、気候・風土を考慮したものでしょうか。今回の「あたらしいきもののかたち」が後々鹿児島の特産品の一つになっていければいいと思っています。

―素材の提案も有りでしょうか。

岩本: そうですね。ただプレ発売などを考えると、最初はどうしてもプリンター出力になると思いますので、その場合ポリエステルしかできません。そこは想定して欲しいです。

―それでは、最後に応募いただく方々へメッセージをお願いします。

岩本:はい。せっかくの機会ですので、「あたらしいきもののかたち」を皆様に考えていただいて、それを鹿児島発信のものとして広めていけたらと思っております。皆様の自由な楽しいアイデアお待ちしております。鹿児島へお越しの際はぜひ店舗へもおこしください。よろしくお願いします。

―ありがとうございました