課題担当者インタビュー

有限会社敬天水産 担当者インタビュー

敬天水産担当者

かんぱち養殖日本一の鹿児島で養殖一筋に50年、かんぱち・ぶりの養殖業を営まれている有限会社敬天水産。飼料の改良や漁場環境に合わせた肉質の改良、魚の細胞を傷つけずに凍結する新技術「CAS」を取り入れるなど養殖から加工まで一貫して生産している桜島にある敬天水産 桜島加工場にて、同社 常務取締役 濱田三喜夫さんに今回のアワード課題テーマ等についてうかがった。

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―養殖歴50年とはすごい歴史ですね。

濱田:はい、弊社は鹿児島のシンボル桜島で養殖一筋に取り組んで参りました。

―飼料の改良や漁場環境に合わせた肉質の改良、凍結技術などあらゆる面で試行錯誤されていらっしゃる敬天水産さんが今回アワードに応募されたきっかけをお聞きしてよろしいでしょうか。

濱田: はい、今回、課題にさせていただいたのは新商品として企画中の「かんぱち丼」です。こちらは、すでに弊社から販売しているイタリア料理風にアレンジした「カンパチーノ」というシリーズにつづく、どんぶりシリーズとして来年くらいに販売したいと思っています。昨年のアワード作品展をたまたま通りがかりに拝見していて、全国の素晴らしいデザイナーが、こういう発想で物を見るのかという事に驚き、その時は自分たちが課題企業として参加することなど考えてもいませんでしたが、今年の課題企業募集を見て「かんぱち丼」シリーズのデザインをお願いしてみたいと思いました。

―既存商品の「カンパチーノ」のリニューアルではなく、今回構想していた新商品を課題として提供しようと思われたのは何故ですか。

濱田: はい。アワードの課題テーマが実際に商品化できるのは来年度ということで、現状構想段階の「かんぱち丼」ならば、デザインと同時に商品開発を進めて行くことができ、同時にゴール出来るのではと考えたからです。

―なるほど。では、まだ企画段階ということですが、「かんぱち丼」の特徴を教えてください。

濱田: そうですね。かんぱちの刺身をどんぶりにのせるものを「かんぱち丼」と言います。醤油ベースの漬丼が定番です。それを全国の方々にも食べていただきやすいように、鮮度の良いかんぱちに弊社で味付けをして真空パックし冷凍したものを販売する予定です。ご家庭で食べるときは流水にて解凍いただくことになります。弊社の強みとしては、自前でかんぱちを育てている所が一番のポイントです。生産→運搬→加工が迅速に出来ることで鮮度が他社のものとは違います。また、冷凍技術「CAS凍結」も他社にはない技術だと思います。これにより繊維を壊さずに冷凍が可能なので解凍したときにドリップが出ず美味しいんです。

―すごいですね。鮮度が商品の価値を高めているんですね。

濱田: そうですね。加工と言っても素材を焼いたり、煮たりする物じゃなく、生の刺身に味付けをしてバリエーションを広げるというスタンスですので、養殖した鮮魚の肉質の部分も大きく影響します、鮮度が良くなければ特徴は出せないと思っています。

―なるほど。「どんぶり」にした理由としては鮮度の良いお刺身を使うということが1番の要因ですか。

濱田: そうですね。仕事をしているなかで高齢の方から、魚を焼いたり、煮たりしたくないという声を良く聞いていたんです。より、弊社の「かんぱち丼」ならば、解凍して袋からそのままご飯にのせて食べられる。そういう物を求めていらっしゃるのだろうと。「カンパチーノ」はおつまみなので、あくまで嗜好品ですが、かんぱちをおかずとして日常的に食べられる物を作れたらと思っております。

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―では購入層は、高齢の方々という感じでしょうか。

濱田: はい。高齢の方々だけに限るわけではありませんが、良い物を少し食べたい方々となると若い方よりは中高年の方がメインになると思います。しかし、働き盛りの食事にあまり手間をかけたくない方も意識はしています。味付けのバリエーションでターゲット層が変わるかもしれないですね。この味付けなら中高年よりも30~40代とか、これなら高齢の方にとか。あと、かんぱちそのものは決して安い魚ではないので、こだわりを持って良い物を食べたいという方々もターゲットになるのではと思っています。その場合は年代層の幅が広がるかもしれませんね。

―どんぶりシリーズということですが、味のバリエーションはどういうものを想定していますか。

濱田:はい。課題テーマでは鹿児島特産「かんぱち丼」(和食)シリーズとしていますので醤油ベースの漬丼が基本です。ただ、今後の可能性として、エスニック風、韓国風、中華風といろいろ広げていきたいとは思っています。

―販売場所はどのようなところを想定されていますか。

濱田:そうですね。首都圏の高級素材を扱っているスーパーへ出していけるようなものをと考えています。現状は繋がりがありませんが、今回の商品が出来たら売り込みをしていきたいと考えています。まずは「カンパチーノ」を店頭に置いて頂ける様にリニューアルし、工夫しているところです。当然コーナーは違うと思いますが、「かんぱち丼」も置いて頂けるようにしていきたいですね。あとは弊社のWebサイトですね。弊社の既存商品はネットからも注文が多いんですよ。ただ、ネットだけではなく、電話やFAXでの注文ももちろん受け付けます。他には地方新聞のネットワークで「47CLUBよんななクラブ」のサイトや九州電力が運営している「九州ムラコレ市場」などのサイトも予定しています。あとは弊社のお客様へお配りしているギフトカタログにももちろん載せます。

―なるほど。他にもありますか。

濱田: はい。他社さん贈答用ギフトカタログも既存のものは載せていただいているのでそこへの販路もあります。特に信金中央金庫優待カタログには定番として掲載して頂いております。他だと、過去にはJALさんの企画で、敬天水産のカンパチ詰め合わせセットを出させていただいたこともあります。そういうコラボ企画などに今回の「かんぱち丼」を出してほしいと言われるようにしていきたい、そういうお声掛けをしてもらえるような商品にしたいと思っています。

―ありがとうございます。首都圏の百貨店などへの販路は考えていますか。

濱田: はい。今までは物産展がメインで、日本橋の三越さんですとか東武デパートさんですとか、鹿児島物産展の一員として約3年位は力を入れてやってきました。今後、常設で置いてもらえたらうれしいですね。

―「かんぱち丼」のパッケージをデザインする際に考慮してもらいたいことはありますか。

濱田: そうですね。「かんぱち本舗」のロゴは入れて欲しいです。意外と知られていませんが、鹿児島県はカンパチの水揚げ高日本一。そして弊社はそのかんぱち養殖歴50年。すべて自前で生産販売をやっている所はおそらくあまりないと思いますので、本場の物だということはベースとして意識して欲しいと思います。また、かんぱちの刺身部分の個包装は、製造ライン上必ず真空パックされての凍結になります。個包装のデザインも可能です。外装パッケージの形状やサイズは限定しませんが基本は1食ずつでの単体販売を考えています。ただ、「カンパチーノ」は3食・5食入るギフトパッケージでの販売もしており、「かんぱち丼」シリーズも味のバリエーションを詰め合わせたギフト用パッケージとして販売もしたいと思っています。何食か入るギフト用のパッケージデザインも御提案いただけたらうれしいですね。

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―ありがとうございます。他に注意点はありますか。

濱田:基本、スーパーや物産展などで販売される場所は冷凍ケースですが、状況によってはチルド(冷蔵)ケースでの販売もありえると思っております。「カンパチーノ」がそうですが、冷凍で一年、解凍してチルドに移したら一週間以内に召し上がってください、という注意書きをして販売しております。そうすると結露などが実は気になるんです。紙箱だとパッケージにダメージが出るかもという危惧はありますね。しかし、販売が冷凍のみでは販路が非常に狭くなってしまいます。先ほどから出ている「カンパチーノ」は、ワインのつまみという位置付け商品なので、店頭でチーズなどと同じ所に置いてもらうためには冷凍では無理だったんです。当初は皿に盛ったものをそのまま真空パックしていましたが、解凍してチルドの状態で販売してもらうとき、皿から全部こぼれるという経験をしており、試行錯誤した結果、今の形になっています。「かんぱち丼」シリーズも冷凍、冷蔵どちらの販売も予定しているので、結露は想定した上でどちらでも使える素材にしてもらえると良いですね。ちなみにお刺身ですので常温での販売はまずありません。

―わかりました。それでは最後に応募して頂く方々へメッセージをお願いします。

濱田: パッケージはお客様との一番最初の接点になりますので、いろいろな発想・アイデアでお客様が食べてみたい、手に取ってみたいと思っていただけるものを、ぜひよろしくお願い致します。味の方は私どもが頑張りますので。

―ありがとうございました