つきの虫 担当者インタビュー

虫の声がこだまする鹿児島市の山中にひっそりと建つ「御茶碗屋つきの虫」。小学生が「ろくろ体験」で訪れるという作業場で今回のアワードの課題テーマ等について新納虫太郎さんに伺った。(以下敬称略)

つきの虫 新納虫太郎さん

つきの虫 新納虫太郎さん

白薩摩の特徴は「貫入」


–よろしくお願いします。この家はとても古いですね。

新納 はい。築70年くらいと聞いてます。元々、こちらは馬小屋だったところを改築して作業場にしてあるんです。白薩摩と黒薩摩の両方を作っているのですが、別々で作らないと鉄の粒とか原材料が混ざってしまったりしてよくないんです。なので、最近は白薩摩を作るときは、作業場ではなく、となりの展示場の入口付近で急遽作っていたりします(笑)ろくろも電動と蹴りろくろと2つあって、味があるので蹴りろくろを使ったりもします。まあ、出来上がったもの電動と蹴りどっちで作ったか?と言われてもよっぽどでない限りはわかりませんけど(笑)。

–(笑)そうなんですね。ちなみに黒薩摩と白薩摩の違いはどこにあるんですか?

新納 土が違います。黒薩摩は地元の土、それこそ足元の土を掘ってそれを使って豪快にざっくりと作ります。白薩摩は元々は鹿児島の指宿など取れた貴重な粘土を使います。温泉地の土なので、余分な鉄分や硫黄などの温泉成分とかをキレイに生成するんです。でも、今では鹿児島では取れなくなってしまったので、実際は京都の土などで作っています。あと、白薩摩の特徴は「貫入」ですね。このヒビみたいなものを「貫入(かんにゅう)」と言います。

貫入を染め込む「染貫」

–白薩摩は「絵付」も有名だと聞きました。

新納 そうですね。元々は、金、赤、緑、紫などの色を使い、器や皿に豪華な絵付をしているものが白薩摩でした。ただ、今回のアワードの課題テーマとしての白薩摩は絵付は無しでと思っています。みなさんが考えてくれる新しいデザイン+白薩摩の特徴の貫入。その貫入を際立たせるために、絵付の代わりに「染貫」をします。貫入を染め込むことで、赤や黒や緑などほんのりと色が出てきます。

–なるほど。

新納 貫入を染め込むこと=「染貫」と言っているのは実は私だけなんですよ(笑)。なので、現在、「染貫」を登録商標として登録申請しています。染貫に使う顔料の色は緑、赤、黒などいろいろあります。赤なんかはピンクっぽくなるので、かわいい感じになって女性に人気がありますよ。

大切な人へのプレゼントとしての白薩摩

–白薩摩は贈答品としての購入が多いんですか?

新納 はい。カップ&ソーサーで5,000円くらいしますので、贈答用とかで購入する方がやはり多いですね。ちょっとおしゃれなプレゼントとかですかね。あとは飲食店などでお客様用に使うのも多いですね。技術的にはペンダントやボタンなど小さいものを作ることも可能なので、彼女へ送るペンダントが白薩摩とかもこれからはあるかもしれませんね。

–大きなサイズも作れるんですか?

新納 サイズ的には、30cm×30cmが限界ですね。つぼなんかは作れるんですが、サイコロなんかは先ほどのサイズより大きいものは厳しいですかね。また、一品物ならば何でもできるんでしょうけど、今回の課題テーマは実際に量産して販売したいと思うので、大きすぎたりするものはNGだと思います。

–では、最後に応募するデザイナーさんたちにメッセージをお願いします。

新納 白薩摩の特徴である「貫入」。そこに顔料を施す「染貫」。この新しい形を元にした「大切な人へプレゼントするための白薩摩」の新しいデザインを作ってもらえればと思います。食器、コーヒーカップ、ペンダントなど、いろいろなものが考えられると思います。。ただ、iPhoneカバーみたいなものはちょっと厳しいかな(笑)。白薩摩の形のデザイン+貫入の色、その組み合わせでシンプルながらも素敵なプレゼントができると思います。皆さんのいろいろなアイデア作品を楽しみに待っています。鹿児島にお越しの際は、是非、お気軽にお立ち寄りください。ろくろ体験をしていただければ、何かアイデアがひらめくかもしれませんよ(笑)

–ありがとうございました。

御茶碗屋つきの虫


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